日本のサンウルブズは、ホームでレベルズ(オーストラリア)に9-35で敗れ、開幕3連敗となった。スクラムなどセットプレーで反則が重なって流れを失い、3試合目で初めてのノートライでの完敗。試合や遠征が続いて練習時間が限られる中、連係の成熟度不足が浮き彫りとなった。26日の次戦(シンガポール)はレベルズに20点差で勝ったブルズ(南アフリカ)との対戦。立て直しが急務だ。

 9-35と敗戦濃厚の後半34分。交代を告げられたフッカー堀江主将は悩める表情を浮かべ、力なく歩いて退いた。ノートライでの敗戦。「疲れたわけじゃなくて…。なかなか壁を越えられないな、と」。力強くチームを引っ張る主将がピッチでうつむくことはめったにない。「次、また頑張ります」と、苦笑いで悔しさを胸に押し込んだ。

 前半は6-11と粘ったものの、前節と同じように後半に突き放された。スクラムで4回反則を犯すなど、反則数は相手の倍近い13を数えた。2月27日の開幕戦でライオンズに善戦し、12日の第2戦ではチーターズに1点差まで迫る接戦。初勝利へ期待が高まっていただけに、ロック大野は「日本で初勝利ができず悔しい」と唇をかんだ。

 堀江は今後の修正点に、ボールを2回失ったラインアウトを挙げた。チーム発足から約1カ月で、まだサインをうろ覚えの選手がいる。掛け声に使われる日本語の数字を理解できていない外国人も。結果、相手に奪われやすいところに投げ入れるサインが出ることもある。途中出場のフッカー木津も「(エディー・)ジャパンのときは半端じゃなく突き詰めた。もっと落とし込まないと」と話した。

 連係の改善に向けて時間は足りない。サンウルブズはスーパーラグビー側からの要請を受けてホーム8試合のうち3試合をシンガポールで行わなければならない。体力の回復に要する時間や移動の時間を除くと、シンガポールでの次戦、26日のブルズ戦まで練習できるのはわずか2日間しかない。厳しい戦いが続く。【岡崎悠利】