違法カジノ店での賭博行為が発覚したバドミントンの桃田賢斗(21)と田児賢一(26=NTT東日本)が8日、都内で会見した。

 まず会見の冒頭、田児と桃田が謝罪した。

 田児 このたび、自分の軽率な行動で起こしてしまった事件で大変深く反省しております。いままで応援してくれた方々や、活躍に期待してくれた方々への裏切り行為となってしまいました。全責任は自分にあると思っています。本当に申しわけありませんでした。

 桃田 本日はこのような事態を招いてしまい本当にすみませんでした。今まで育ててくれた方々や福島県の方がた、香川県のみなさまを裏切ることになってしまい、深く反省しています。本当にすみませんでした。

 田児は2014年10月~15年3月まで東京・錦糸町で、その後の15年5月~16年1月までは横浜の店へ、合計60回ほど通い、総額1000万円負けたという。桃田は14年10月から15年1月、田児の紹介で東京・錦糸町の違法カジノ店を訪れ、計6回訪問し、50万円ほど負けたという。

 なお、違法カジノ店に出入りするきっかけとなったのは、田児が14年9月のアジア大会でケガしたことで練習ができない時期があり、飲みに出かけた帰り道で呼び込みに勧誘されたことという。その後、桃田を誘って出入りした。

 世界ランク2位で、リオデジャネイロ五輪での金メダルも期待された桃田は、今後について「本当に今は自分でもこの先どうなるか分からなくて、4年後なんかまったく見えず、今はしてしまったことを反省や申し訳ない気持ちで一杯で。今はただ、反省の気持ちで一杯」と厳しい表情で話した。

 また、プロ野球巨人軍の野球賭博が話題になった際には、両者とも強い後悔の念にかられた。田児が「このことが公になったらどうしようというのが正直な気持ちだった」と言えば、桃田も「自分も野球賭博の報道みた時は、うーん。人ごとではないなというのが、素直な感想で。解雇された報道を見てからは、怖くて、誰にも言えませんでした」。

 そして田児は会見の最後にこう話した。

 「自分はいかなる処分も受ける覚悟でいます。桃田のような日本のバドミントンにとっても、わが社にとっても、宝物のような選手を自分のとった行動で、このような事態になってしまったことを、深く、申し訳ないと思っております。桃田にもう一度、チャンスを与えてやってください。お願いします。すみませんでした」。

 「すべて自分の責任」「自分は二度とバドミントンができなくなってもいい」と言い切った田児。今となって事の大きさに気づいたようで、会見の途中からは涙を流していた。

 この謝罪会見の前日、NTT東日本から報告を受けた日本バドミントン協会の銭谷欽治専務理事は、桃田について「五輪代表に推薦できない」と明言。10日の理事会で正式決定するとみられるが、リオデジャネイロ五輪出場は絶望的だ。これにより、日本男子の五輪へのシングルス派遣はなくなる可能性が高くなった。