過去の賭博行為で無期限大会出場停止処分を受けているバドミントン男子の桃田賢斗(21=NTT東日本)が、まだ競技を続ける気持ちになっていないことが12日、分かった。関係者が電話で復帰へのエールを送ると「そんな気持ちになれない」と話したという。また、NTT東日本の調査により、すべて田児賢一(26)と行ったと発表していた違法カジノ店への訪問のうち1度は一般女性と2人で訪れていたこと、違法スロット店にも出入りしていたことが明らかになった。

 桃田の声は疲れきっていたという。日本バドミントン協会から無期限競技会出場停止の処分が下った10日、ある関係者は電話を通じこう呼びかけた。「気持ちを切り替えて前へ向かってほしい。頑張っている姿を見せることを早くするべきだ」。返ってきたのは「そんな気持ちになれないです」という力ない答えだった。

 協会の処分は、今後の言動次第で解除される可能性を含む。日本男子初のメダルが期待されていたリオデジャネイロ五輪出場は消えたが、20年東京五輪への望みは残された。11日に決まったNTT東日本の出勤停止30日の処分期間が終われば、チームに交じり練習できる。出勤停止期間でも個人的な練習なら許される。練習場所の提供や子供への指導を求める声も届いている。だが本人の気持ちは、まだ前に向いていない。

 また、NTT東日本は8日に社内調査結果を公表したが、その後も続けられた調査によって新たな事実が明らかになった。1つは違法カジノに加え違法スロット店にも通っていたこと。期間は同時期で、田児は20回程度訪れ約50万、桃田は5回程度で数十万負けていた。また違法カジノ店へは、すべて田児と行っていたとしていたが、1度は一般女性と2人で訪れていた。

 一部週刊誌には、過去に桃田が女性とキスした写真が掲載された。今は、千葉・市川市にあるバドミントン部の寮を離れ、関東某所で謹慎を続ける。今後の活動のめどは立っていない。