男子62キロ級ではリオデジャネイロ五輪出場が有力となっている糸数陽一(24=警視庁)が、ジャークで168キロの日本新記録を達成し、スナッチ128キロとのトータル296キロで優勝した。

 糸数は自身が持つ日本記録を1キロ超えたが「スナッチの133を取れて(挙げて)いればトータル300だった。そこがまだ改善点です」と、悔しさをのぞかせた。

 母子家庭で育った糸数は6人兄弟の長男。沖縄の久高島で自然に囲まれた中で育ち、6人兄弟の長男として、妹2人を含めて家族7人で仲良く過ごしたという。「いつも小さい車に家族みんなで乗って、周囲からは仲がいいねってよく言われていました。今日もお母さんと、妹の真喜が来てくれてうれしかった」と、にこにこと笑った。

 リオデジャネイロ五輪出場は有力となっており、ロンドン五輪を逃した、悔しさをリオで晴らす。「300キロ以上を目標にしています。今はリオのことだけを考えていますが、東京では310キロでメダルを狙えるようにと思っています」。大家族で育った160センチの力持ちは、故郷愛と家族愛を胸にリオ五輪出場決定の吉報を待っている。

 五輪代表メンバーは28日の理事会で正式に決まる予定。