昨季の世界ジュニア女王の本田真凜(15=大阪・関大中)が自己ベストの128・64点をマークし、合計184・11点で2位に入った。5位と出遅れた9日のSPから気持ちを切り替え、国際スケート連盟(ISU)公認ジュニア大会での女子フリー最高得点を出した。SP首位の坂本花織(16)が122・15点で、合計187・81点で優勝した。SP2位の山下真瑚(13)は3位。日本勢がジュニアGP大会で表彰台を独占したのは03年日本大会以来、2度目。

 得点を確認した瞬間、ほっとしたのか本田の左目から涙がこぼれ落ちた。2日前のSPでは「いい演技をしよう」と気負って、まさかの5位。この日は「落ち着いてそのままの自分を出した」と、男子の羽生ら数々のトップスケーターが滑ってきた「ロミオとジュリエット」を華麗に滑りきった。昨年の世界ジュニア選手権のフリーで出した126・87点を1・77点更新しての2位。「今できることをできて安心した」と笑顔が戻った。

 気持ちを切り替えられたのは、浜田コーチとの“ハマブラ”だった。前日10日、横浜の町を散歩し、カフェでティータイム。浜田コーチから「スケートが好き、という気持ちだけに戻れば大丈夫」と諭された。

 「できる」と自分に言い聞かせてリンクへ。圧巻はシーズン前から「死にそうなぐらい大変」と話していた終盤の5度のジャンプだった。2回転半(ダブルアクセル)、3回転トーループの連続技に続き、単発の3種類の3回転ジャンプに挑戦。最後の連続ジャンプで回転不足のミスは出たものの、息を切らしながら跳びきった。

 練習嫌いで知られる本田だが、今季は「やったと言えるぐらい練習を積まなければ」と氷上ダッシュで持久力を磨いてきた。得点が1・1倍になる後半の跳躍はリスクがあると同時に武器にもなる。「失敗をなくせば、目標の130点が狙えることが分かった」と自信を深めた。

 2戦合計上位6人が進める12月のジュニアGPファイナル(フランス・マルセイユ)進出へ望みをつないだ。「まだ伸びしろはたくさんある。次、頑張るしかない」。2週間後のスロベニア大会での優勝を狙う。