リオデジャネイロ五輪柔道女子70キロ級で金メダルを獲得した田知本遥(26=ALSOK)が五輪秘話を明かしながら、爆笑トークを繰り広げた。10日、宮城・柴田町の仙台大で同五輪柔道女子日本代表監督を務めた南條充寿氏(44)とトークショー。2人は漫才の掛け合いのように、約1時間にわたって会場を盛り上げた。

 代表監督を五輪後に退任した南條氏が仙台大柔道部男子監督でもあることから、同大でトークショーが実現した。南條氏は田知本が金メダルを決めて、畳から下りてきた直後の話を切り出し「おい、調子に乗るなよと、柔らかく言った」と明かし周囲を驚かせた。「多くの人が金を取った後に変わってしまう」と言い、さらなる飛躍を期待したのだ。田知本は「耳を疑った。おめでとうと、言われていない」と苦笑いした。

 五輪の決勝の舞台に立てた感想を問われた田知本が「幸せ」と何度も言い、南條氏は「幸せ5連発でしたね。僕は不安ばかりだったけど」といじった。同氏は金メダルを自身の首にかけて“暴走”気味。「かなり触られているね。裏が傷ついている」と鋭く指摘すると、田知本は「ラップはかけません」と応酬。絶妙な駆け引きで2人の絆をアピール? した。

 約270人の聴衆が大きく沸いたのが「○×質問コーナー」。「結婚するならこの人」の問いにはそろって×。「この4年間でこの野郎と思ったことがある」には2人とも○。進行役を務めた南條氏の和恵夫人(44)から「息ぴったりですね」と横やりが入ると、会場は爆笑の渦に包まれた。

 もっとも田知本は、締めのあいさつでメダリストらしく“金言”を贈った。「夢はすべてかなうわけではないが、夢はすべてかける価値がある」。笑いも大きな拍手も起こして、会場を後にした。【久野朗】