フィギュアスケートグランプリ(GP)シリーズ第4戦フランス杯の公式練習が10日、パリで行われ、40分間の調整を終えた浅田真央(26=中京大)は「決していい状態ではない。まぁ、切り替えてやっていくだけ」と正直に明かした。

 フリーの曲を通したが、2番目の滑走と早かったこともあり、ジャンプは跳ばず流れを確認。体が温まった後、フリップなど3回転ジャンプを試したが、回転不足や転倒などが相次ぎ、終始表情は固かった。時おり左膝を気にする場面も。体調も万全でないようだった。

 昨季から抱える左膝痛の影響で調整が思うように進まず、今季はフィンランディア杯、GPスケートアメリカと2戦連続でトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を回避。6位だったスケートアメリカの一夜明けには次のフランス杯で入れるつもりで練習する、と話していた。だが「今回はちょっと間に合わないです」。悔しさを押し込め、笑顔で応えた。

 苦しい中でも「いま入っているジャンプをミスなくやれば次につながると思う。今の状態、コンディションで本番でどれだけ集中してコントロールできるか」と今の全力を出すこと、次戦全日本選手権(12月22日開幕、大阪)へ上昇のきっかけをつかむことを目標に掲げた。