じわじわと調子を上げてきた。秋田が81-57で仙台に勝利し、今季3度目の東北ダービーを制した。日本代表候補の安藤誓哉(24)を中心に第1クオーター(Q)からリード。スコット・モリソン(30)が前節の北海道戦で苦しんだフリースローを10本中9本沈めるなど劇的な改善を見せ、全Qで得点を上回る完勝を見せた。

 早々に試合が決まった。第2Q残り3分5秒。安藤が狙い澄ました守備でボールを奪う。攻守が入れ替わると一気に敵陣を切り裂き、レイアップシュート。33-16と点差を広げ、仙台にたまらずにタイムアウトを取らせる。「アグレッシブに前半から攻めて試合の流れを作れた」と出だしで、心根をへし折った。

 心身ともに調子が上がってきた。前節23日の北海道戦は延長戦で惜敗。「すぐ試合がしたい気持ちになった」と雪辱の機会に飢えていた。中2日の試合、そして日本代表合宿から数えて11月は8試合目と連戦が続く。それでも「1カ月前からグルテンフリーを始めて、調子が良いっす」とテニスのジョコビッチらが行う小麦を断つ健康法で体調管理は万全。炭水化物は「白米。兄貴にくっついていく」と田口成浩主将(26)と定食屋で栄養補給する。

 反省も生かされた。モリソンが奮起。前節にフリースローの成功率57・1%で敗因の一因となり、中2日の間に1日300本の打ち込み。日々の練習ではハンドリングの基礎練習を欠かさない真面目な助っ人は、この日はフリースローを10本中9本成功させた。劇的な改善に「魔法じゃないよ。練習の一言。タッチも良かった」と積み重ねが実を結んだと胸を張った。

 長谷川誠HC(45)は「モリソンはインサイドでボールをもらい、ファウルも9回もらった。ゾーンディフェンスが相手に効いた。ロングリバウンドを安藤が取って、そのまま運べた」とテンポの良い攻撃が出来たと振り返った。かみ合い始めた秋田のバスケ。今日27日は2戦目。今季初の連勝に挑む。【島根純】