ロシア反ドーピング機関(RUSADA)は7日、RUSADAを監督する評議会の議長に、女子棒高跳びの世界記録保持者エレーナ・イシンバエワさん(34)が選ばれたと発表した。組織的ドーピング問題で国際機関から「不適格組織」とされ、権限を失ったRUSADAの再建を担う。

 7日の会合で評議会メンバーが交代し、10人の中からイシンバエワさんが議長に選ばれた。イシンバエワさんは「ドーピング対策は世界のスポーツ界の主要課題。ロシアでの取り組みの効果は、いつRUSADAが(権限を)回復できるかにかかっている」と指摘した。

 ロシア通信によると、同評議会は15日、RUSADA会長を選出する見通し。ロシア陸上界の組織的なドーピングを理由にRUSADAは昨年11月、世界反ドーピング機関(WADA)から不適格組織とされ、モスクワの検査所も認定を取り消されている。

 リオデジャネイロ五輪から締め出され現役を引退したイシンバエワさんは不正を否定、WADAの対応を批判してきた。

 イシンバエワさんは9日に行われるロシア陸連の会長選にも立候補している。8月には、国際オリンピック委員会(IOC)総会で、選手委員に選出されていた。(共同)