今夏のリオデジャネイロ五輪で柔道男子を7階級全てのメダル獲得に導いた日本代表井上康生監督(38)が18日、大阪・吹田市立武道館で「ミズノビクトリークリニック」の講師を務めた。

 関西圏の子どもたちに約2時間半の指導を行い、00年シドニー五輪金メダリストの技に保護者を含めた参加者は興味津々だった。

 一方で、最後の質疑応答ではタジタジになった井上監督。「リオ五輪で日本代表男子はメダルをいくつ取りましたか?」の問いに「1個!」と返答があると、「1個だったら先生、ここに来てないよ。『ごめんなさい』って家に閉じこもっているよ」と苦笑い。「家、どこですか?」とプライベートにまで質問は及び「教えたら泊まりに来る?」と軽快なやりとりを見せた。

 井上監督にとっても子どもたちの指導は、厳しい勝負の世界から少し離れる新鮮な時間。終了後には「日本柔道界の土台はこういうところ。子どもたちはエネルギーが有り余っていて、楽しくやらせてもらいました」。自身も小学1年時に84年ロサンゼルス五輪金メダリスト山下泰裕氏(59)から、直接指導を受けた思い出があるという。過去を懐かしみながら「今も昔も変わらないのは、子どもが一流選手と触れ合うことによってエネルギーをもらうこと。そこは変わらないと思います」と意義を語った。