女子48キロ級で期待の須崎優衣(17=東京・安部学院高)が4試合で1ポイントも失わない圧勝劇で制した。今年は高校総体、世界カデット選手権、全日本選抜、国体と出場したすべての大会で優勝。同階級にはリオ五輪金メダル登坂が君臨するが、20年東京五輪代表争いに割って入る強さを見せた。

 別格の強さで、須崎が東京五輪48キロ級代表争いに名乗りを上げた。初戦から準決勝まで相手に1ポイントも許さず、3試合連続で10-0のテクニカルフォール勝ち。決勝は加賀田と激しい主導権争いを演じ、テクニカルフォール勝ちこそ逃したが、5-0で快勝した。

 1年前の全日本選手権の決勝で敗れた後、今年は勝ち続けて5つ目のタイトルを取った。宿舎の天井には準優勝だった表彰状を貼り付け、悔しさを忘れずに過ごしてきた。来夏の世界選手権(パリ)出場を目指す17歳は「選抜を勝ち、切符を勝ち取りたいです」と、明確な目標を口にした。

 視界には20歳で迎える東京五輪が見えている。登坂は越えなければならない壁だ。「尊敬していますが、東京で金メダルを取るためには倒さなければいけないと思っています」と、迷わず言った。「連勝の数は数えてないので分かりません」と笑う顔には、勝ち進む喜びと成長を続ける勢いがくっきりと浮かんだ。