ハンドボールのザンビア代表が28日、日本での多くの経験と38個のボールを土産に成田空港発のエチオピア航空機で帰国の途に就いた。「20年東京大会で五輪初出場」を目標に、16日に来日。日体大など大学、高校、クラブチームと交流試合、合同練習を行い、小学校や中学校を訪問した。

 同行した同国ハンドボール協会のバンダ会長は「忙しくて疲れたよ」と苦笑いしながらも「選手たちは最高の経験をして、成長してくれた。20年の東京五輪で再び日本に来るという自信も手に入れたようです」と満足そうに話した。

 チームの来日に尽力した元青年海外協力隊員の田代征児氏は「無事にすべての日程を終えて、ホッとしています」。新宿でリムジンバスに乗る前には、全員からSuicaを回収。東京中を動き回って1万4000円ほど使ったが「換金して、残りは次のプロジェクトに使います」と話した。

 約2週間の滞在で、帰国時はお土産もいっぱい。五輪出場を願う開運だるまや交流した子どもたちの寄せ書き…。対戦した各チームなどから寄付されたボールは38個になった。「いつもはボロボロのボールで練習している。助かります」と田代氏は感謝した。

 「すべてが素晴らしかった。日本人は優しかった。また日本に来たい。20年にまた会いましょう」。ストリートチルドレンから代表になったカブウェは、最高の2週間を振り返りながら東京五輪出場の夢をかなえることを約束していた。