2020年東京五輪・パラリンピック大会組織委員会は12日、公式マスコットの選考検討会議のメンバーを発表し、タレント中川翔子(31)ら14人が選ばれた。中川の選考理由について組織委は、アニメなどのサブカルチャーに造詣が深く、若者の目線を持っていると説明した。

 エンブレム白紙撤回問題の反省を受け、エンブレム委員会で委員長を務めた宮田亮平氏(文化庁長官)ら計5人が同じメンバーとなった。

 同会議はデザインやストーリー、キャラクター設定などの「専門性」と、選定過程の透明化と国民参加などの「納得性」の両者を担保しつつ、3月末までに選考方法を固めて国際オリンピック委員会(IOC)と国際パラリンピック委員会(IPC)に提出する方針。組織委によると、IOCはプロによるデザインと、複数案による投票をしないことを推奨している。

 アートディレクター佐野研二郎氏がデザインしたエンブレムは発表後、インターネット上で類似作品が指摘され、白紙撤回に追い込まれる事態となった。

 マスコットの場合は、決定案について国内の意匠権、商標権を取るが、国外についてはネーミングの商標権のみ取ることが推奨されている。「類似品が出てくる恐れもあるのでは」との問いに、組織委の担当者は「国外で意匠権、商標権を取っていると膨大な時間と費用がかかってしまうため、マスコットにエンブレムがデザインされているという点で、独自性は保てるという判断だ」と説明した。

 リオ大会では600日前に発表したが、全行程に2年1カ月を要したため、担当者は「なるべく早めに決めたい」と話した。グッズ販売などによるライセンス料でマスコット関連が最も多い。最終発表は18年以降となる見込み。