アルペンスキーの男子大回転で小山陽平(北海道・双葉高3年)が優勝した。日本勢で男子アルペン種目の10代選手の優勝は、90年札幌大会の大回転を制した木村公宣以来4大会ぶり。22年北京五輪のエース候補が大器の片りんをのぞかせた。

 18歳8カ月22日の小山が時差ぼけを吹き飛ばし、完全勝利した。1、2回目ともにトップを譲らず、2位に計1秒86差。19日までスイスで行われた世界選手権に初出場し、21日に帰国したばかり。「疲労が残る中で落ち着いてコース設定を整理して滑れた。良い勉強になった」と振り返った。

 金沢・内川中2年の全国中学の大回転で、石川県勢として全種目を通じて初めて優勝した。北海道にスキー留学し、3年目の今季はW杯に初出場。全日本スキー連盟の選考基準には達しなかったが、将来性を見込まれて推薦で世界選手権に初出場した。だが、大回転ではトップと10秒の42位、回転は予選落ち。「落ち着いて滑ることができなかった」と唇をかんだ。

 「五輪は自力で規定をクリアして出たい」。4度五輪に出場した木村公宣の最年少記録(19歳4カ月16日)を塗り替えた大器は、平昌五輪も本気で狙っている。

 ◆小山陽平(こやま・ようへい)1998年(平10)5月31日、金沢市生まれ。金沢・内川小1年で競技を始め、全国中学大会では内川中2年で大回転、同3年で回転優勝。北海道・双葉高では15、16年全国高校総体の大回転連覇。16年ユース五輪(ノルウェー)銀メダル。日体大に進学予定。家族は両親と弟。167・8センチ、65・4キロ。