フィギュアスケートでは珍しい、イスラムの「ヒジャブ」風衣装を身につけたザーラ・ラリ(21=UAE)が、23・31点で19位につけた。

 滑らかなスピン、スケーティング技術を披露したが、ジャンプでミスを連発。「練習では良かったのですが…。もっと大きな試合を経験しないといけない」と悔しがった。

 近年までUAEにフィギュアスケートの文化はなかった。そんな中、ディズニー映画「アイス・プリンセス」を見たのがきっかけで12歳で競技を始めた。でも「いくつもの障害を越えなければなりませんでした」。

 UAEでは、女性がスポーツをすること自体が珍しく、SNS上でバッシングを受けたこともあった。衣装の問題も大きかった。イスラム教の女性は肌を隠さなければならない。ほぼ全身を覆う衣装を身につけ国際試合に出場すると、ジャッジによっては減点された。今では国際スケート連盟(ISU)と協議し、衣装で減点されないよう許可を得ることができた。また「国が100%サポートしてくれているので、家族と国の支えでやっていけている」と後ろ盾も出来た。

 普段は大学に通いながら、首都アブダビに唯一あるリンクで練習を積んでいる。夢は五輪に出ること。18年平昌大会に向け「今年9月の予選に参加したい」と、UAE初の冬季五輪出場を目指す。