【台北19日=松本航】フィギュアスケート世界ジュニア選手権女子で2位に入った本田真凜(15=大阪・関大中)が一夜明けたこの日、22年北京五輪後の引退願望を明かした。台北アリーナでのエキシビション前に人生設計に言及。将来有望な妹紗来(さら=9)が、最短でシニアに上がる22~23年シーズンまでに「引退することが目標」と姉の立場と心境を説明。2大会に絞った五輪金メダルの夢実現へ、まずは18年平昌五輪で勝負を懸ける。

 日本勢初の2連覇を逃した本田だが、脳内は瞬く間に切り替わっていた。初めての200点超えによる喜びでジュニアを締めくくり、来季は本気で目指す18年平昌五輪。出場だけで満足できない思いは「金メダルは小さい頃からの目標。早く達成できればいいな」という言葉ににじんだ。

 その真意を明かしたのは、突然だった。「紗来がシニアに上がってくるまであと5~6年。それまでに(自分は)引退することを目標に頑張りたい」。5きょうだいの末っ子で9歳の紗来は、本田が「一番センスがある」と認める逸材。妹は最短で22年北京五輪の翌シーズンにシニアへとやってくる。直接対決を避けたい姉としての思いが、ほほえましい15歳の人生設計につながった。

 そうなれば、五輪金メダルのチャンスは平昌、北京の2度だ。18日のフリーでは優勝したロシアの14歳ザギトワが、全てのジャンプを1・1倍の加点がある演技後半に集めた。基礎点で3・63点劣り「もともと(2人が)完璧、完璧でやったら負ける構成」。来季は「自分としては全体のバランスを大事にしたい」とこだわりつつ、連続ジャンプの組み合わせなどで「トップと同じや、超えられる構成にしたい」と青写真を描く。

 この日のエキシビションでは、昨季のショートプログラム曲「スプリングソナタ」を華麗に舞い、1年を締めくくった。次のシーズンも、年間通じての確実性は求めず「ハラハラしてもらって、大事なところだけを頑張りたい」。ここぞの集中力は「(平昌まで)1年間お預け!」とニッコリ笑い、五輪金メダルへの本気度をにじませた。