阿部詩大丈夫か!? 団体女子は個人戦52キロ級を初制覇した阿部詩(16)擁する夙川学院高(兵庫)が大成(愛知)を下し、初優勝した。

 女子団体は3選手による点取り戦で、先鋒(せんぽう)の阿部は準決勝で左手親指を負傷したが、決勝も積極的な攻撃で相手の小林の反則負け(指導4つ)を誘った。左手にテーピングを巻き、試合中も気にかけているようだった。「個人戦とは違って、団体戦の優勝は今までにないぐらいうれしい。苦手としている寝技も試合で決まって、自信になりました」と笑みを見せた。

 一方で、左手のけがについては「親指を突き指しました。大丈夫です」と回答。準決勝後に医務室に直行したが、病院での検査は「今から考えます」と不安を口にした。

 4月1、2日には今夏の世界選手権代表選考会である全日本体重別選手権(福岡)を控えている。2月のグランプリ・デュッセルドルフ大会でワールドツアー史上最年少の16歳で制し、世界を目指す阿部にとって世界選手権出場は目標の1つでもある。

 同校の松本純一郎監督は「決勝は本人が『行きます』と言った。うちでは、試合に出る、出ないの判断は本人が決めている。阿部は賢いので、けがの状態は自分が一番分かっているだろうし、大丈夫でしょう。ただ、連戦の疲れもあるだろうから1、2日は休ませようと考えています」と話した。

 これまでの成績から13日後に迫る全日本体重別選手権で優勝すれば、世界選手権の代表権獲得はほぼ確定する。「あと数日なので技術的なことよりも、気持ちの面で相手に勝てるようにしたい。普段通りに試合を迎えたいです」と、阿部は淡々と次戦に向けて気を引き締めた。

 男子は桐蔭学園(神奈川)が12年ぶりに優勝した。