20年東京五輪へ、各競技の注目選手を紹介する連載「リオ→東京 継承者たち」。今回は13日開幕の競泳日本選手権(愛知・ガイシアリーナ)にスポットを当てる。7月の世界選手権ハンガリー大会の選考も兼ねた大会は新しい4年間の始まり。女子200メートル平泳ぎ青木玲緒樹(れおな、22=ミキハウス)は、リオ五輪金メダル金藤理絵(28)が欠場した大会で初優勝を狙う。

 北島康介氏を指導した平井コーチの秘蔵っ子が「ポスト金藤」に名乗りを上げる。リオ五輪金の金藤がいない200メートル女子平泳ぎで青木が初優勝に照準を合わせた。小学校時代から平井コーチの指導を受ける22歳は「金藤さんが出るにせよ、出ないにせよ、自分の競技に集中するつもりだった。世界選手権代表を狙うことは変わらないので」。

 リオの興奮が冷めやらぬ昨年11月のアジア選手権を大会新記録で優勝。リオ銅の中国選手を破った。今年も春先から好記録を連発する優勝候補筆頭だ。平井コーチの勧めで、北島氏の泳ぎを手本にしてきた。時には水中に潜って「スタートやターンの細かいところを見せてもらった」。「北島スタイル」で両手を絞って水の抵抗を少なくするなどフォームも改善。練習は強いが、本番は緊張しすぎて勝てない-。そんな悪い癖も結果とともに克服中だ。

 今大会は100メートル、200メートルともに日本ランク1位で臨む。平井コーチも「結構いいと思う」と期待する。青木は「東京五輪に出たいので、この時期から自己記録を出して活躍していきたい」。新社会人になった今季、女子平泳ぎの主役に躍り出る。【益田一弘】

 ◆青木玲緒樹(あおき・れおな)1995年(平7)2月24日、東京都生まれ。3歳で水泳を始めて、小3で東京スイミングセンターに入る。武蔵野高、東洋大をへて今春からミキハウスに入社。自己記録は100メートルが1分6秒53、200メートルが2分22秒40。168センチ、55キロ。家族は両親と弟。