いきなりライバル対決。競泳の世界選手権(7月、ハンガリー)代表選考を兼ねた日本選手権は今日13日に開幕する。12日、会場の名古屋市ガイシプラザで公式練習が行われた。第1日の男子400メートル個人メドレーでは、リオデジャネイロ五輪で同時に表彰台に立った金メダリスト萩野公介(22=ブリヂストン)と銅メダルの瀬戸大也(22=ANA)が出場。ともに社会人初戦となるレースで東京五輪へのライバル物語の第2章が幕を開ける。

 60年ぶりの五輪ダブル表彰台から8カ月。萩野と瀬戸のライバル対決が新しい局面に入る。キャップに萩野はブリヂストンの「B」、瀬戸は「ANA」の文字。3月に大学を卒業した2人が新社会人として、東京五輪までの道を歩き出す。

 北島康介以来2人目のプロスイマー萩野は「環境もがらり変わって、いいレースでいい結果を出したい。全部優勝する」。この日は新しく水着以外のスポーツウエアで5年契約を結んだナイキに身を包んで登場した。5種目に出場するが、400メートル個人メドレーは特別だ。「僕の中で一番大切にしているし、初日なので大事。大也と対決は楽しみ以外にない」と口にした。

 4月にANA所属となった瀬戸は、原点に戻って勝負する。リオ五輪後は高地合宿を封印し、レースで鍛えるスタイルを選んだ。萩野を破って金メダルを獲得した13年世界選手権バルセロナ大会と同じ調整で今シーズンを戦う。萩野との激突に「前半(の200メートル)で2分を割って入らないと公介(萩野)についていけない。得意種目が初日でよかった」と全力投球する。

 3年後の東京五輪で、ワンツーフィニッシュも期待される。社会人となった2人の「名勝負数え歌」が再び始まる。【益田一弘】