スポーツクライミング界の天才少女が、初の世界挑戦権を得た。

 16年のリードジャパンカップで史上最年少優勝を遂げた森秋彩(あい、13=茨城県連盟)が、決勝でただ1人最後まで登り切る「完登」に成功し、ユースB(02~03年生まれ)で優勝。8月30日からの世界ユース選手権(オーストリア・インスブルック)の代表が内定した。

 初の世界大会出場に「不安はあるが、どのぐらい世界と戦えるか楽しみ」と話した。最終的には、5月末の理事会で決定される。

 森は2ルートの予選、決勝すべてで「完登」。ただ1人、1度も落下しない「3完登」を成し遂げ「見たときから、自分の得意の持久系だった」とホールド(突起物)の配置を読み切った。最後のホールドに手をかけた瞬間、会場がどよめいた。

 この1年ほど、思春期の成長で「最近、体が子どもから大人になった」。身長は148センチから153センチに伸び、体重は40キロから42キロに増量。「登っているときに体重を感じる」と、腕が張るようになった。この日も「いつもは余裕があるが、今日は最後は気持ちで行った」。

 小学校の時は週4日、連日、練習していたが、体格が大きくなった今は、疲れを残さないように、1日おきに頻度を抑える。ただ、腕の長さのリーチは欲しいだけに「身長は160センチ以上になりたい」。それで体重は控えめという「モデル体形」が理想だ。

 身長を伸ばすために、毎朝、プロテインを摂取。練習がないときは「筋トレしてます」。クライミング漬けの生活で、テレビは見ても「(アイドルとかは)全く知らない」という普通の女子中学生の生活とは無縁だ。好きな食べ物は「(鳥の)空揚げ」とはにかんだときだけ、13歳の素顔が見えた。