来年の平昌冬季五輪出場枠を懸けた大会で、小笠原歩と阿部晋也の日本は1次リーグA組最終戦でフィンランドに4-6で敗れ、敗退が決まった。

 小笠原は敗戦と五輪消滅が決まると、屈託のない笑顔で相手選手と抱擁を交わした。「すごく悔しいけど、相手もすごくよかった」。約2カ月の冒険は、世界の強豪からの金星にあと1歩まで迫る健闘で幕を閉じた。

 最終第8エンドを有利な後攻で迎え、逆転勝利のチャンスが芽生えた。だがラストショットを投げた小笠原の表情が一気に険しくなる。当てたハウス(円)内の日本の石は左へそれ、投げた石は右へ。狙った中央に1つも置けず、互いに後攻で確実に得点するシーソーゲームで初めて許したスチールが終焉(しゅうえん)を告げた。

 4人制ではリードが第1投を担い、スキップがラストショットを投げそれぞれの特性を発揮するが、ダブルスでは1人で両方をこなす。スキップとして五輪5位の実績を持つ小笠原が「1投目を投げる難しさは何とも言えない。ダブルスを長年経験している彼らのうまさに自分たちは足りなかった」と、昨年大会で7位に食い込んだ実力ペアとの力量差を認めた。

 2月に日本カーリング協会の推薦を受けてペアを結成。阿部が「探り探り。ハードルは高かった」と話した挑戦は、ベテランペアにカーリングの奥の深さを改めて実感させたようだ。