女子はデンソーが3-1で日立を退け、9年ぶり2度目の優勝を果たした。日本代表ウイングスパイカーの鍋谷友理枝(23)がチームトップ21得点。同代表経験を持つ同期のミドルブロッカー大竹里歩(23)が左膝を痛めて途中退場するアクシデントをはねのけた。

 デンソーが第3セットを取った瞬間は、静寂に包まれていた。最後の25点目を挙げたプレーで、着地した大竹がコートに崩れ落ちた。車いすで医務室に直行。同期の鍋谷は「絶対大丈夫。泣きそうになった」と動揺したが、気を取り直して第4セットに臨んでいた。

 父同士が神奈川・法政二高の同期という大竹とは東京・淑徳SC中のチームメート。幼なじみの不在に鍋谷は奮起し、第4セットは1-1からスパイクとサーブで4連続得点を演出。「コースとかどうでも良かった。こっちがボールを落とさず、向こうにボールを落とすだけ」。勝利の瞬間は「やっと勝てた」と大粒の涙を流した。

 試合後、大竹は「鍋谷がいないと、このチームは回らない。優勝してくれてありがとう」と心から感謝した。高校の3年間は別々に過ごしたが、ともにデンソーへ入社して5季目。2部相当のVチャレンジリーグで戦い、どん底でもがいた今季を、プレミア昇格と日本一で締めた。