寝技強化の効果はいかに-。柔道女子日本代表の増地克之監督(46)が17日、グランドスラム(GS)エカテリンブルク大会(20、21日・ロシア)に向けて成田空港から出発した。

 同大会には世界選手権(8~9月、ブダペスト)代表の78キロ超級朝比奈沙羅(20)や48キロ級近藤亜美(22)らが出場する。増地監督は「世界選手権に向けてどういった戦い方をするのかを確認したい。勝ち負けも大事だが、今、取り組んでいる課題を実戦でどれだけ試せるかもポイント」と話した。

 注目ポイントの1つとして強化している「寝技」を挙げた。今年4月にはレスリング女子代表と合同練習を行った。今月2日には、日本ブラジリアン柔術連盟会長で総合格闘家のヒクソン・グレイシーと対戦経験のある中井祐樹氏から寝技や関節技の講習を受けた。国際柔道連盟(IJF)の新ルールでは、指導差では4分間で勝敗が決まらず、延長戦に入る確率が高い。そのため、立ち技から寝技への移行がより重要となり、押さえ込みの技ありは5秒短縮されて10秒で技ありとなった。「選手には、そつのない試合を目指してほしい」と増地監督。

 また、6月の全日本実業団体対抗大会(富山・アルビス小杉総合体育センター)には、リオデジャネイロ五輪70キロ級金メダルの田知本遥(26=ALSOK)が五輪後初の実戦復帰する。「本人から連絡はありました。地元開催で、特別な思いもあるとのことです。ブランクがある中で、どういった試合をするのか非常に楽しみです」と活躍を期待した。