男子シングルスの世界1位で大会第1シードのステファン・ウデ(46=フランス)が、準決勝で同5位で第4シードのニコラ・ペイファー(26=フランス)に3-6、7-5、3-6のフルセットで敗れた。

 相手はリオデジャネイロ・パラリンピックの男子でダブルスで金メダルを獲得した“同僚”。19日のダブルス準決勝では2人で三木拓也(28=トヨタ自動車)真田卓(31=凸版印刷)組を0-6、0-6で圧倒したばかりだった。

 「ミスが多くて難しい試合だった。第2セットを取り返したところまではよかったが、そこまでに時間がかかり過ぎて終盤に疲れが出た」。今年に入って今回が5大会目のツアー出場になったが、いまだに優勝はなし。オートバイ事故で左大腿(だいたい)部を切断しているが、その部分に2日前に電気が走るような痛みを感じたといい、体調は万全ではなかった。

 会見では「勝てない? そろそろリタイアしなきゃいけないかな」と引退をほのめかして報道陣を慌てさせたが、すぐに笑顔で訂正。「3年後のトウキョウにも出るつもり。もう、すべての大会に勝つのは難しい。目標を絞って調整していかないと」とし、今後はピンポイントでコンディションを上げ、グランドスラムなどのビッグタイトルに照準を合わせていくようだ。【小堀泰男】