佐藤琢磨(40=ホンダ)が日本人として初の優勝を飾った。最後まで勝負が分からない熱戦に観客は熱狂の渦と化し、勝者に対して「佐藤コール」も湧き上がった。

 佐藤は優勝者の恒例となっている牛乳を飲み、途中で自らの顔にかけて大喜びした。1909年のサーキット開場時のれんがの路面にちなみ、スタートとゴールのラインに残しているれんがにもキス。「長い道のりだったが、インディ500に勝ってうれしい。この瞬間が人生最高の時だろう」と相好を崩した。

 隣ではチーム監督で、米国を代表するレース一家の出身でもあるマイケル・アンドレッティ氏が「タクマ(佐藤)は経験豊富で運転技術も高いと思っていた。ピンチもあったが、よく耐えていた」と声を弾ませる。

 佐藤がF1シリーズに参戦しているころから一緒に仕事をしているホンダの田辺豊治チーフエンジニアは「最高の結果で、インディ500を終えることができた」と感激に浸っていた。