オービックが激戦を制して、3年ぶり6度目の優勝を飾った。FGを皮切りに得点を重ねたが、連覇を狙うIBMに追撃される。第4Qには2本目のTDパスで9点差としたが、直後にキックオフリターンTDを許す。なんとか反撃を抑えて29-27で逃げ切り。14年以来2大会ぶりの優勝で、日本一奪回へまずは春を制した。MVPには2TDのWR水野太郎(24)が選ばれた。

 両チーム合わせてキックブロックが4回、インターセプト3本、キックオフリターンTDが1本ずつ。大乱戦と言える決戦を制したのは、元王者オービックだった。唯一決まったFGで先制に始まり、IBMに食い下がられたが、終始リードを保ち続けた。

 苦しい勝利だったが、待ち遠しい優勝でもあった。日本社会人決勝のジャパンXボウルを8度、日本一を争うライスボウルを7度制した。10年度からは4連覇でいずれも最多だが、優勝は14年パールボウルから遠ざかっていた。

 選手68人中半分以上の41人が日本一を知らない。就任2年目の古庄ヘッドコーチにとっても初タイトル。「最後はフィジカル勝負。2月からあしたが試合のつもりと、選手がよく頑張ってくれた。まだまだ強くなれる」と喜びにも先を見る。

 両チームは9月5日に秋のリーグ初戦で、同じ東京ドームで激突する。キックオフリターンとパスで2TDでMVPの水野は「力を維持でなく、上げていかないといけない。ライスボウルまで勝ち続ける」。久々の美酒も、日本一奪回への通過点にしか考えていない。【河合香】