中国・成都で行われている卓球のワールドツアー、中国オープンで、中国選手による前代未聞の選手のボイコット騒動が起きた。

 23日の男子シングルス2回戦に出場を予定していた世界ランキング1位の馬龍(28)同2位の樊振東(20)同3位の許キン(27)の3選手が試合時間になっても姿を現さず、失格となった。一夜明けた24日、中国国家体育総局は「倫理違反で厳重に対処する」との声明を発表するなど波紋は広がっている。

 新華社によると、大島と対戦予定だった馬龍、張本と対戦するはずだった許キンらが棄権した理由は、元監督が指導者から外れたことにあるという。大会開幕直前、長く代表強化に携わってきた劉国梁総監督が退任し、中国協会の19人目の副会長になることが発表された。関係者によると劉氏の副会長就任は、指導を外すための人事との見方がある。信頼する劉氏不在の事態に、3人はブログに「今は戦い続けることができない」などと書き込んだという。

 先月から中国協会は揺れている。賭博に関与したとの一部報道を受けて、女子代表の監督だった孔令輝氏を停職処分とし、世界選手権個人戦が開催されていたドイツ・デュッセルドルフから帰国させた。今回の劉氏の退任を含め、中国協会内の政治的な争いがあるとの見方もある。ボイコットした3人には国際卓球連盟からの罰金や中国協会からの出場停止など、厳しい処分が予想される。