7月3日からテニスの4大大会、ウィンブルドンが開幕する。4大大会の中でも、格式と伝統を誇り、さまざまな独自のルールがある大会だ。そのウィンブルドンを3回にわたって紹介する。第1回は、その大会名称についてだ。

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 ウィンブルドン・イズ・ウィンブルドン。ウィンブルドンはウィンブルドンでしかない。つまり、他の大会とは一線を画する、ただのテニス大会とは違うといった意味だ。そう呼ばれるゆえんは数多い。

 まだ大会名称を全英オープンと書く人が多い。しかし、テニス界に全英はない。全英、つまりブリティッシュ・オープンという大会はなく、今大会も、そのような名称ではない。

 他の4大大会は、その国の協会が主催しているナショナルオープンだ。だから全豪、全仏、全米という名称が成り立つ。しかし、ウィンブルドンは、会場のオール・イングランド・テニスクラブの主催。極論で言えば、町の一介の民間クラブが主催しているのにすぎない。

 ただ、ウィンブルドンというのも正式名称ではない。正式大会名称は「ザ・ローン・テニス・チャンピオンシップス」。ウィンブルドンは、会場があるロンドン郊外にある町の名前で、それがいつの間にか愛称となった。今では、大会もウィンブルドンを名称として使っている。しかし、決して全英ではない。

 クラブ主催の大会のため、彼らが独自に決めたルールが存在する。ウエアは白基調、センターコートは大会期間中の2週間しか使用しないなどだ。センターは、大会が始まって、その日にセンターで試合が予定されている選手でさえ、試合当日に練習はできない。

 1868年にクラブ創設。約150年の歴史に培われたテニスの聖地。だから、ウィンブルドンはウィンブルドンでしかないのだろう。

 ◆WOWOW放送予定 2日午後9時から「錦織圭 世界の頂点へ! ウィンブルドンテニス開幕直前スペシャル!」がWOWOWプライムで無料放送される。3日から19日までウィンブルドンをWOWOWライブを中心に生中継。