オーストリアGP予選で12位、13位に終わったマクラーレン・ホンダ勢だが、ホンダの長谷川祐介F1総責任者は「フェルナンド(・アロンソ)に関してはスペック3を入れていれば間違いなくQ3には行けたと思う」と言う。

 金曜の走行後にMGU-Hにトラブルが見つかった際の状況は以下の通りだ。

 「(車体とパワーユニットを一度分解してから組み立てる)メンテナンスを終えて最後にエンジンがけをしたら、ターボがきちんと回らなかったんです。ただ、今まで問題が起きたときはターボが完全に固着していて回らないくらいでしたけど、今回は回転があまり上がらないというだけで回りましたし、ベアリングが完全に焼き付いているわけではありませんでした」

 「トラブル自体はベアリングのメカニカルな問題で、これまでに起きてきたのと同じですが、原因はICEからターボへのオイルの混入にあります。今までの問題はベアリングの耐久性が足りなかったことが原因でしたが、今回のものはそれとは関係なく(オイル混入という)イレギュラーなものだと思っています」

 アロンソ車に載せ換えたICEはアゼルバイジャンGPの予選・決勝で使用したもので走行距離はまだ1戦のみだが、MGU-HはカナダGP決勝エンジンブローした際に搭載されていたもので、その影響も懸念されるが、長谷川F1総責任者は決勝の完走と入賞は十分に可能だろうと見ている。

 「全体的な不安は常にありますが、特に具体的な懸案があるわけではないですし、この距離が走り切れないというわけではありません。ロングランは悪くありませんでしたし、明日もポイント獲得のチャンスは充分あると思います」(米家峰起通信員)