ホンダの長谷川祐介F1総責任者は、リタイアと12位という結果に終わったオーストリアGPについて、入賞が可能な速さはあったが結果につながらなかったと語った。

 1周目の1コーナーでクラッシュしたフェルナンド・アロンソについては、ダメージが大きすぎてレース継続は困難だったという。

 「フェルナンドが1周目でぶつかってしまったのは本当に残念でした。ピットに戻ってコースに復帰すべく準備をしましたが、(フェルスタッペンに激突した)左側のボディやフロアが大きく破損してラジエーターから水が漏れ出ている状態だったのでリタイアは避けられませんでした」。

 ストフェル・バンドーンはルノーのジョリオン・パーマーに抑え込まれ、ルイス・ハミルトンがダニエル・リカルドを抜けなかったように追い抜きが難しいレッドブルリンクで本来のペースを発揮しきれなかったと説明した。

 「ストフェルはルノーの後ろで抜きあぐねていましたが、純粋なペースでは我々の方が速かった。(6位入賞の)ハースと同じペースで走っていた場面もありました。ですからスタート後の位置取り次第では展開は違ったでしょうし、前にいたフェルナンドがリタイアしていなければ入賞は狙えたと思います」。

 この週末に投入したスペック3のパワーユニットについて、決して大きなものではないものの着実に効果は確認できたとした。

 「純粋なペースとしてはフォースインディア、ウイリアムズ、ハースに匹敵するものがありましたし、スペック3の投入によってマシンパッケージが進化し中団争いには加われるようになりました。今の苦しいチーム状況が一度にガラリと変わるほどではないにしても、着実に前進していることは間違いありません」。(米家峰起通信員)