フィギュアスケート女子の樋口新葉(わかば、16=東京・日本橋女学館)の今季フリー曲が、12年公開の映画「007」シリーズ23作目の主題歌「スカイフォール」に決まった。「007」といえば、バンクーバー五輪金メダル金妍児(韓国)がショートプログラム(SP)でメドレーを使用しているが、樋口は、12年に英国の女性歌手アデルが映画のために書き下ろしたドラマチックな曲を選んだ。

 樋口は昨季シニアデビュー。ジュニア時代から定評のあるスピードに加えて表現力を磨き、今年4月の国別対抗戦ではフリーで日本歴代2位となる145・30点をマークした。来年の平昌五輪代表の有力候補の1人だが、2枠の狭き門を争う状況を「自分は崖っぷち」と捉えている。国内のライバルが伝統あるクラシックやオペラ曲などを選ぶ中、現代のヒットソングという異色の選択で勝負する。

 選曲に加え、ジャンプでも攻める。フリーでは、大技のトリプルアクセル(3回転半)を冒頭に組み込む予定だ。4月の国別対抗戦の際の練習では2度成功するなど、徐々に精度を高めている。ISU(国際スケート連盟)公認の試合で成功すれば日本女子では5人目の使い手となる。技、表現ともに攻めのプログラムがはまれば、初の五輪出場はぐっと近づく。

 ショートプログラム(SP)はバレエ「ドン・キホーテ」の曲「ジプシーダンス」に決めた。SP、フリーともに今季初戦の8月3~6日の関東サマートロフィー(千葉市・アクアリンクちば)で初披露する。

 契約を結ぶノエビアの応援サイト(http://www.noevir.co.jp/figureskate/topics.htm)で、11日に発表し、練習の動画も公開した。

 ◆日本スケート連盟の平昌五輪フィギュアスケート女子選考基準 日本女子は2枠。全日本選手権(12月20~24日、東京・武蔵の森総合スポーツプラザ)の優勝選手が1人目に決定。2人目は全日本選手権の2位、3位、GPファイナル出場の日本人上位2人、世界ランク上位3人、シーズンランク上位3人、シーズンベストスコア上位3人の中から総合的に判断する。