フィギュアスケート男子の羽生結弦(22=ANA)が練習を公開し、今季のフリープログラムを2季前と同じ「SEIMEI」と発表した。6月に発表したショートプログラム(SP)の「バラード第1番」とともに15-16シーズンの再演となる異例の戦略。9日で開幕まであと半年となった平昌五輪で、世界最高点の更新と男子では66年ぶりの五輪連覇を狙う。一問一答は以下の通り。

 -SP、フリーともに過去のプログラムは異例だ

 迷いはなかった。フリーは先シーズンに入る前から思っていた。温めておいたという感じです。

 -自分の強みは

 全部です! ジャンプでデビューしたような感じがあるが、スピン、スケーティング、何もかも自分にとって得意だって胸を張れる。どこを切り取っても、やっぱり羽生結弦うまいな、って思ってもらえるスケーターを目指している。全部が自分の武器。

 -4回転ルッツは

 跳べるし、練習はしているが、今は考えていない。この構成できれいにまとめたい。

 -ソチ五輪前とはどう違う

 もっといっぱいいっぱいだったと思う。あれもやらなきゃ、これもやらなきゃと。今はこうやればいいと、自分の道がはっきりしてきた。4回転の種類や数、技と技のつなぎなど多くのものを求められるようになってきたからこそ、多種多様な部分を磨いているし、スケートの理想的なものがみえてきた。

 -五輪連覇に必要なこと

 クリーンに(ミスなく)滑ること。それが出来れば必然として結果はついてくる。

 ◆プログラム再演でのシングル五輪金メダル 荒川静香は06年トリノ大会直前に曲を変更。世界選手権を制した2季前のフリー「トゥーランドット」を再演し、アジア女子初の金メダルを獲得した。同大会男子金のプルシェンコ(ロシア)もフリーで2季連続となる「ゴッドファーザー」を滑った。14年ソチ五輪では、羽生が2季連続の「パリの散歩道」で世界初のSP100点超えを達成し、女子のソトニコワ(ロシア)が3季前のフリー「序奏とロンド・カプリチオーソ」を再演して制した。現行の採点法になった03年以降、SP、フリー両方が再演の五輪金メダリストはいない。