陸上男子短距離のサニブラウン・ハキーム(18=東京陸協)が男子400メートルリレーで起用を見送られる方向となった。男子200メートルで、張りを感じていた右のハムストリングをレース中に痛めた。そこから失速し、20秒63(向かい風0・1メートル)の7位。日本勢の今大会初入賞となったが、メダルが期待されるリレーはサニブラウン抜きで臨むことになる。

 リオ五輪に続くメダルが期待される男子400メートルリレーは苦しい台所事情となった。1走が想定されていたサニブラウンの代役には、スタートダッシュが武器の多田が決定的。7月の山梨合宿やロンドン入り以降、1走の練習だけに集中してきた。100メートルでも準決勝に進んだ多田は「僕は楽しんでリラックスした方が力が出る。楽しんで走りたい」と意気込んでいる。

 リオ五輪でアンカーを務めたケンブリッジのコンディションも不安材料となる。100メートルは準決勝に進み、通常なら4走の見込みだったが、日本選手権で痛めた右太もも裏以外にも違和感を抱える箇所がある。日本選手権のけがからスパイクを履いての練習は山梨合宿中の7月下旬だった。急ピッチの調整の反動が出てきている。状態が戻らなければ、バトンワークにも不安がなく、調子を上げてきた藤光が代役に抜てきされる可能性もある。2、3走は飯塚、桐生とリオ五輪と同じ組み合わせになりそうだ。男子短距離の苅部コーチは「(予選と決勝で)メンバーを入れ替える可能性も考えている」と話している。