東芝がNECに20-0で完封勝ちした。前半終了後に雷雨により試合が1時間15分中断したが、再開まで集中力を切らさず後半に臨み、リードを広げた。1週間前からこの日の雷雨を想定して準備を進めてきたことが奏功した。昨季は9位に泣いた名門が復活へ好発進した。

 前半終了間際、予想通り、激しい雷雨が秩父宮ラグビー場を襲った。WTB宇薄のトライなどで前半を13-0で折り返し、そのまま「一時中断」のアナウンスが流れた。再開までの1時間15分の準備力の差が出た。今季7季ぶりに復帰した瀬川監督は「雷対策」を施して、開幕戦に臨んでいた。試合後「試合中断中の手順などはスタッフ間で共有していたのでうまくいった」と説明した。

 先週から天気予報でこの日の雷雨を予想。日本協会に悪天候の場合、規約により前半終了で試合が成立することを確認していた。そのため序盤から積極的に攻撃することを意識した。雨が降り出し、試合中も雲の流れを確認して前半20分にはマネジャーと情報交換した。中断中は選手に再開の可能性もあることを伝え、体を冷やさないようにユニホームを着替えたり、ストレッチさせるなどして後半に備えた。

 準備のかいもあって、後半は相手の攻撃が鈍る中、ミスの少ない堅実なラグビーを展開。フランカーのリーチやロック大野らのベテラン勢も途中出場して勝利に貢献した。03年のトップリーグ創設以来、3位以内の成績を保っていたが、昨季は9位と低迷。スーパーラグビーでも活躍するリーチは「強い東芝をまた見せる」と名門復活を誓った。【峯岸佑樹】