柔道の世界選手権(28日開幕、ブダペスト)男子60キロ級代表の高藤直寿(24=パーク24)が24日、成田空港から出発し、世界王者奪還を誓った。

 出発前、取材に応じ「現地で最高の準備をして、(リオデジャネイロ)五輪が終わってから1年間やってきたことを出し切りたい。若い世代も出てきているけど、『まだまだ僕が一番強い』ということを証明したい」と13年大会に続く世界制覇に向けて気合を入れた。

 昨年12月のグランドスラム東京、今年4月の選抜体重別選手権では、東海大の後輩の永山竜樹(21)に2連敗を喫して、代表に選出された。リオ五輪銅メダリストとしての誇りもある。「決勝では永山選手に勝って金メダルを取りたい。とにかく勝ちにいく。泥臭くても勝つ」と闘志を燃やした。

 永山は身長158センチと小柄ながら他の選手の何倍もやっている筋力トレーニングで「豆タンク」とも呼ばれ、パワフルでスピーディーな柔道を持ち味とする。高藤は永山対策としてこれまで以上に筋力トレーニングに励んできた。筋肉がついた分、減量も厳しく「妻の気づかいのおかげで柔道に集中できた。誘惑に負けてお菓子やアイスを食べたい時は止めてくれて助かった」と振り返った。

 リオ五輪で男子代表は全7階級でメダル獲得の快挙を成し遂げた。井上康生監督(39)は「20年東京五輪に向けた第1段階の戦いになる。リオ組のリベンジと若手との戦いでもあり、現地に入っての数日間が大事になる。選手は、質、量ともにしっかりと準備をしてきたのであとは自信を持って戦ってほしい」と話した。同便では、永山と66キロ級代表の阿部一二三(20)らも出発した。