女子78キロ超級で初出場の朝比奈沙羅(20=東海大)は決勝で中国人選手に敗れ、銀メダルだった。日本は目標とする7階級を制覇し、獲得メダルは計12個となった。

 3年前の世界ジュニア王者が初の世界選手権で快進撃を続けたが、あと1勝に泣いた。朝比奈は決勝で15年大会覇者の中国人選手に果敢に攻めたが、延長戦の末、力尽きた。

 「自分はスロースターター」。こう自覚するが、危なげなかった。初戦から準々決勝まで3戦連続で2分かからず、立ち技と寝技による一本勝ちで勝ち進んだ。延長にもつれ込んだ準決勝もどんどん攻める。延長開始12秒。支え釣り込み足で相手を畳にねじ伏せた。

 昨年のグランドスラム東京大会から、国際大会3連続優勝。「今までは『ぽっと出』だったが、これからは研究もされる。どんどん攻めていかなくてはいけない」と奮い立っていた。常に主導権を握って技を仕掛けるスタイルは、世界の強豪にも十分通用している。

 東京で生まれ育ち、小学2年で総本山である講道館のクラブで柔道を始めた。将来は医学の道に進むことも視野に入れ、物事のとらえ方は冷静だ。「東京五輪を考えると、今年は世界選手権に出ておきたかった。最終目標は3年後の金メダル」。176センチ、135キロの大器が女子最重量級エースの座を確立すべく、悔しさをバネに前に進む。

 ◆朝比奈沙羅(あさひな・さら)1996年(平8)10月22日、東京都生まれ。7歳で柔道を始める。東京・渋谷教育渋谷高2年で13年講道館杯を制し、昨年で女子初の4連覇。14年世界ジュニア選手権優勝。17年はパリ、エカテリンブルクのGS2大会制覇。世界ランキング3位。得意技は払い腰。趣味はヒップホップダンスと料理。176センチ、135キロ。