ストフェル・バンドールン(25)が10位を獲得したマクラーレン・ホンダは、翌3日の決勝は上位勢のグリッド降格ペナルティーを受けて8番グリッドからスタートする。

 豪雨の影響により2時間36分もの中断を挟んだ予選だったが、マクラーレン・ホンダの2台はウエットコンディションで競争力を発揮した。

 バンドールンはQ2で9番手タイムを記録してQ3に進んだが、最後はMGU-Kのシャフトと見られるトラブルが発生しアタックを断念しなければならなかった。

 「こんなに難しいコンディションでQ3に進めたのは良かったね。最後に大きくパワーを失ってしまって本格的なアタックするチャンスを失ってしまったのは残念だったね。もう少しリスクを負って攻めてマシンの限界を引き出したかったね」。

 フェルナンド・アロンソはグリッド降格ペナルティにより最後尾スタートが決まっているため、バンドールンをQ2敗退にさせないためにもQ2でフルアタックは行なわなかった。しかし全力を尽くせば5、6位に行ける手応えはあったと、ウエットコンディションでのマシンフィーリングを賞賛した。

 「ドライコンディションに比べて今日のコンディションでは僕らのクルマはすごくコンペティティブだったし、もしQ3に進んでいればトップ5とかトップ6が狙えるくらいだった。明日が雨なら良かったのにね(笑)。タイヤは中古だったしパワーユニットもフルモードで使っていなかったのに、それでもこれだけコンペティティブだったのは驚きだよ」。

 超高速サーキットでの苦戦が予想されていたが、ホンダの長谷川祐介F1総責任者はおよそ予想通りの結果だったと予選を振り返った。

 「昨日のドライでの走行も悪くありませんでしたけど、今日は非常に難しいコンディションの中でストフェルがクルマのパフォーマンスを生かして10番手を獲得し、結果的に8番グリッドからスタートできるということで、元々難しいと思われていたモンツァでこのスタートポジションというのはすごくポジティブなことだと思います。スペック3・5を投入してからは比較的堅調に10番手前後は争えるレベルにあるとは思っていましたから、サーキット特性的に厳しいところではありましたけど、全く想定よりも上だということでもありません。おおよそ実力通りの結果だと思います」。

 バンドールンのトラブル原因と見られるMGU-Kのシャフトは交換可能な消耗部品であり、ペナルティーを受けること交換して決勝に臨むことができる。決勝ではポイント獲得を狙えると長谷川総責任者は語る。

 「ドライでパワー影響が大きくなれば厳しくはなるでしょうけど、それほどオーバーテイクが簡単なサーキットでもありませんし、なんとかポジションを守ってくれればと思っています。もちろんポイント獲得を目指して戦いますし、充分に狙えるところにいると思います」。(米家峰起通信員)