「東海大コンビ」の強さを証明した。柔道の世界選手権(ブダペスト)男子100キロ級金メダルのウルフ・アロン(21)が6日、都内で行われた「上月スポーツ賞」表彰式に出席し、女子78キロ超級銀メダルの朝比奈沙羅(20=ともに東海大)とのダブルメダルを喜んだ。

 世界選手権で両階級は同じ日に行われた。朝比奈とは講道館の春日クラブ時代からともに切磋琢磨(せっさたくま)してきた仲。ウルフは「最後の最後まで一緒に闘えたのは良かった。試合後、泣きながら『おめでとう』と言われて『いいやつだな』と思った。僕が金を取ったことが、さらに悔しいらしいですよ」と話した。

 腰痛持ちで長時間フライトを苦手とする。往路は日航機で人生初の「プレミアムエコノミー」で移動。金メダルを獲得したことで復路は「ビジネスクラス」を期待したが「めちゃエコ(ノミー)でした。ゴルフボールをずっと腰に当てて、プレアムエコノミーがいかに素晴らしいかということが分かりました」と苦笑いした。

 帰国後は時差ボケに苦労している。5日午後6時ごろに成田空港に到着したが、経由地のフィンランド・ヘルシンキでの機材トラブルの影響で到着が約8時間遅れた。「完全オールです。寝られず、(居酒屋の)笑笑で飲んでました。今もギンギンです」と一睡もせずに、この日の表彰式を迎えた。

 ウイットに富んだトークを連発する世界王者だが、最後は「優勝したからと言ってここで終わりではない。次からが大事。さらに体幹強化や新しい技を習得して強くなりたい」と、20年東京五輪を見据えて力を込めた。