柔道女子52キロ級の阿部詩(17=兵庫・夙川学院高)が9日、ウラジオストク日露ジュニア交流大会を終えて成田空港に帰国し、世界選手権(ブダペスト)男子66キロ級金メダルの兄一二三(20=日体大)の活躍に驚愕(きょうがく)した。 

 世界選手権初出場の一二三は6試合中5試合で一本勝ちし、世界王者に輝いた。阿部は「『人間なのか?』『誰なのか?』と思うぐらいすごかった。どこからあの力が出ているのか謎です…」と驚きを隠せない様子で語った。

 試合当日は実家で両親とテレビ観戦した。しかし、生放送でないため、優勝の第一報は男女混合団体女子78キロ超級代表の素根輝(17)からのLINE(ライン)で知った。その瞬間、両親とがっちり握手して喜んだという。

 女子52キロ級では志々目愛が金メダル、角田夏実が銀メダルを獲得した。志々目に過去2勝しているだけに「(世界女王が)届かない位置ではないと思ったし、自信になった」とライバル心を燃やし、「世界1、2位が国内にいることは良いこと。絶対に倒さないといけない相手だし、自分にとってもプラスになる」と前向きに捉えた。

 日露ジュニア交流大会は、安倍晋三首相やロシアのプーチン大統領らが観戦に訪れた。「物々しい警備でこれまでの大会とは違った。優勝出来たし、安倍さんとプーチンさんにも会えて大満足でした」と満面の笑みを見せた。