世界108位の奈良くるみ(25=安藤証券)が1回戦で、同46位の大坂なおみ(19)に6-3、6-0の70分でストレート勝ちした。前日12日、伊達公子の引退セレモニーで受けた激励を力に変えて日本のエースを撃破した。

 奈良が、昨年の英バーミンガムの大会でストレート負けを喫した大坂に雪辱した。「なおみちゃんは強い。チャレンジすることで勝ちにつながった」。第1セットの第8ゲームから、一気に8ゲームを連取。ミスの多い大坂に快勝した。

 前日、試合に敗れて引退が決まった伊達のセレモニーで惜別のメッセージを読み、涙を見せた。伊達が復帰した08年の大会で、最初にダブルスを組んだのが奈良だった。今大会でも、初戦の前日練習の相手に指名されるなど、かわいがられていた。

 伊達からは、セレモニーで「もっと高いところで頑張って欲しい」と激励された。この日は「それを力に変えることができた」と、“伊達魂”をしっかりと受け継いだ。現在はトップ100から転落しているが、伊達から継承された不屈の闘志で、上位進出を誓った。