無期限の試合出場停止処分明け後、国際大会2勝目を挙げたバドミントン男子の桃田賢斗(23=NTT東日本)が18日、羽田空港に帰国した。

 16日のベルギー国際で優勝。先月のヨネックスK&Dグラフィックスインターナショナルシリーズ(米国)に続き、国際大会2連勝となった。

 元世界ランク2位の実力が確実に戻っている。帰国直後の空港で、桃田は「1ゲームも落とさずに優勝できた。自信になった」と笑顔で手応えを口にした。現在の世界ランクは213位だが、今回の優勝で150位前後までランクアップしそうだ。

 刺激材料があった。先月の世界選手権。同学年でジュニア時代から切磋琢磨(せっさたくま)した奥原希望(22=日本ユニシス)が女子シングルスで日本人初の金メダルを獲得した。「自分ももっとストイックに頑張って、バドミントンに取り組んでいかないといけないと思った」。同期の飛躍を力に変えた。

 今後はチェコ、オランダオープンに出場し、地道に世界ランキングのポイントを稼ぐ。今年の最大目標は全日本総合選手権(11月27日開幕、駒沢体育館)。現在は自費で国際大会に出場しているが、同選手権を2年ぶりに制すれば、晴れて日本代表に復帰できる。「今は出させてもらえる大会を全力で頑張るだけ」。1度、すべてを失った男は無欲に、謙虚に言った。