世界42位の杉田祐一(29=三菱電機)が、エースの役目を見事に務め、シングルス2試合で1セットも落とさずに2勝。日本を18年ワールドグループ残留に導いた。

 個人戦のツアーとは違い、代表戦の重圧は「体ががちがちになる。試合後は筋肉痛が激しい」というほど、両肩にのしかかる。7月のアンタルヤオープンで日本男子史上3人目のツアー優勝を遂げた。現在の42位は自己最高世界ランク。しかし、デビス杯代表のシングルス出場は、13年のインドネシア戦以来4年ぶり。それも、エースでの出場は10年オーストラリア戦以来7年ぶりだった。

 今回、錦織圭(27=日清食品)、西岡良仁(21=ミキハウス)の2人をケガで、ダニエル太郎(24=エイブル)はツアー優先で、シングルスの3選手を日本は欠いた。その中で、杉田は、両国選手合わせて8人の内、ただ1人のトップ100の選手。「負けるわけにはいかない」。その重圧も並大抵ではなかった。「(日本の)NO・1として勢いづけたかった。それができて良かった」。

 岩渕聡代表監督にとっても監督としての初陣だった。それが、敗れれば、13年以来、地域ゾーンに転落する大事な試合だった。「選手たちが良くやってくれた。信頼して任せるだけだった」。前述の3選手を欠きながら、世界最高峰のワールドグループ残留を決めたことは「非常に意味が大きい」。杉田は、この日、29歳の誕生日。遅咲きのエースが誕生したことで、日本男子の層は、非常に厚くなった。