ラグビーのトップリーグで開幕4連勝を飾っている神戸製鋼のフランカー前川鐘平主将(29)が20日、打倒強豪へ気合を入れた。

 神戸市内の練習場で22日東芝戦(秩父宮)に向け調整。日本代表NO8リーチらが先発する難敵との戦いを前に「やってきたことを出すしかない。試合の重要な場面で仕事を果たしたい」と練習後もタックルの個人練習で汗を流した。

 前川はここからの5試合を「スーパーハード」と表現した。開幕4連勝で14季ぶりの優勝へ好発進したが、さらに強敵との顔合わせが続く。昨季9位から浮上を狙う東芝に始まり、同2位ヤマハ発動機(30日、エコパ)、同7位キヤノン(10月7日、熊谷)、同3位パナソニック(14日、万博)、同6位リコー(22日、ノエスタ)。リコー戦後にリーグは中断期間を迎えるが、そこまでをどう戦うかが今シーズンを占う。

 ジム・マッケイ・ヘッドコーチ(HC=50)も「ここからの5試合が極めて重要」とした。その心は「次、負けたら(優勝の可能性が)終わりではない。でも、勝っても終わりではない。勝ったとしても、余裕をかませる状況ではない」。一戦必勝はもちろんだが、継続した集中が求められる。指揮官は現在1勝3敗の東芝についても「ものすごく強いチーム。(実力を)低く見積もることはない」と言い切った。

 今節前には前川がフッカー木津、プロップ渡辺と日本代表候補合宿に招集された。感想を問われると、第一声で「(自分が)おっさんですね」と大阪生まれの関西人らしいユーモアで表現。多くの後輩選手から刺激を受け、代表のジェイミー・ジョセフHCからは「タックルの強さを上げないと、代表にはなれない」と明確な課題をもらった。

 「まずはトップリーグでいいプレーをする。代表うんぬんの前に、神戸が勝たないと。まずはここで(アピールし)、それが代表につながると思う」。敵地といえる東京・秩父宮で、神戸製鋼と自らの力を証明する。