国際オリンピック委員会(IOC)が平昌(ピョンチャン)冬季五輪からロシア選手団を除外する決定をしたことを受け、2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会の武藤敏郎事務総長は6日、「ドーピングは五輪の価値の観点から憂慮すべき問題。東京五輪はクリーンな状況の中で行われることが必要であり、われわれが努力することは使命」と述べた。

 IOCは昨夏のリオデジャネイロ五輪ではロシア選手の参加可否を国際競技連盟に委ね、その対応は「弱腰」との批判も浴びた。日本アンチ・ドーピング機構(JADA)の浅川伸専務理事は、踏み込んだ今回の判断は「評価できる」とし、クリーンな大会の実現に向けて「非常に大きなステップ」と受け止めた。

 潔白を証明できた選手は個人資格で出場の道も残されたが、有力選手が参加できなければ、メダルの勢力図が大きく変わる競技もある。全日本スキー連盟の蛯沢克仁距離部長は「大会自体がもの静かなものになるだろう。残念で悲しい」とし、日本スケート連盟の川崎努ショートトラック強化部長は「信じられないような気持ち」と困惑気味だった。