サントリーが、最強の挑戦者をはねのけて2季連続2冠を達成した。今季無敗のパナソニックを12-8で下し、日本選手権は8度目、トップリーグ(TL)は5度目の制覇。

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 決勝にふさわしい両チームの「我慢比べ」だった。サントリーは後半、0点だったが終盤に乱れることなく38回も連続攻撃。昨季王者の自信が過信にならず、チームに一体感があり、接戦で勝ちきれる「勝ち癖」があった。ピンチがあっても80分間我慢出来たのが王者の強さだと思う。

 サントリーは「攻撃が最大の防御」というチーム。この日は、FWがグラウンド内で何度も話し合い、ラインアウトの度に円陣を組んでいた。1回15~20秒ぐらいのミーティング。当たり前のようだがなかなか出来ない。戦術や現状を確認し、共有することでより理解度も深まる。FWの意思統一が徹底していたことで守り切れた。選手の能力だけであればパナソニックの方が少し上かもしれない。ただ、ラグビーは個人が強くてもチームが強くないと勝てない。勝ち癖があるサントリーが一枚上手だった。(日刊スポーツ評論家)