柔道の17年世界選手権男子66キロ級金メダルの阿部一二三(20=日体大)が31日、初の海外武者修行を終えて羽田空港に帰国し、語学力の大切さを痛感した。

 約3週間の日程でオーストリアとドイツでの国際合宿に単身で参加。柔道以外にもドイツ選手らと観光や食事などをしたが「言葉が聞き取れないし、なかなか伝わらなかった。柔道では言葉の壁は感じなかったけど、それ以外は改めて英語が話せないとダメだなと思った」と渋い表情で振り返った。

 ドイツでは代表チームの練習に参加し、五輪2大会連続3位の実績を持つ“寝技の名手”ことトラウトマン監督から寝技の指導を受けた。「いろんなパターンを教えてもらった。今後の対策に生かして、圧倒的に勝つためにも進化したい」。

 世界王者の阿部は昨年12月のグランドスラム(GS)東京大会を制して、既に今年9月の世界選手権代表に内定している。次戦は3月のGSエカテリンブルク大会となる。「しっかり勝ちきる。世界選手権までは時間もあるので、韓国やモンゴルでの厳しい環境下で合宿するのもありかと思っている。間もなく平昌五輪も開幕し、20年東京五輪もあと2年かと思うとすごく(時間経過が)早い。まずは世界選手権2連覇に向けて、しっかりと積み重ねて準備したい」と話した。