ピョンチャンオリンピック(平昌冬季五輪)銅メダルの高梨沙羅(クラレ)が、ジャンプの男女を通じて歴代単独最多の通算54勝に到達した。

 高梨は1回目に100・5メートルを飛び、117・5点でトップに立つと、2本目は96・5メートル、合計227・1点を記録した。

 1回目100・5メートルで首位に立った2回目。浮力を得ると空中をグングン進んでいくと96・5メートルで着地した。今季、何度も後塵(こうじん)を拝してきた平昌五輪で金、銀のルンビ(ノルウェー)、アルトハウス(ドイツ)を寄せ付けず、昨年2月16日に通算53勝目を挙げて以来、15試合ぶりに優勝を射止めた。1年1カ月ぶりに“トンネル”から脱出した。

 高梨は仲間たちと喜びを分かち合い、「本当に驚いています。すごくうれしいです。オリンピックの時のような感動を、この最終戦で感じることができました。また、明日の試合につながるものです」とほほえんだ。

 今季は勝てない試合が続いたが、11日のオスロ大会(ノルウェー)4位後、オーストリアで合宿を行い軌道修正。最後まで諦めずジャンプを追求し、未開の地に踏み入れた。W杯デビューから104戦目、6年3カ月21日で大台にたどりついた。