フィギュアスケート女子の本田真凜(16)が今春からアメリカ(米国)に拠点を移すことが29日、分かった。

 関係者によると、今月の世界選手権男子で優勝したネーサン・チェン(18=米国)らを同地で指導する、旧ソ連(ジョージア)出身のラファエル・アルトゥニアン・コーチ(60)に師事する。

 22年北京オリンピック(五輪)出場を目指して、本田が新たな挑戦を決めた。16年世界ジュニア選手権優勝、翌17年の同選手権2位と将来を期待され、今季シニアデビュー。平昌五輪4位の宮原知子(関大)らとともに、幼少期から浜田美栄コーチのもとで力をつけてきたが、2枠の平昌五輪代表入りはかなわなかった。

 4年後に向かってレベルアップするため、環境を変える。7位に終わった同12月の全日本選手権後には「スケートでの夢が五輪なので、今日、自分ができなかったことをずっと心に留めておきたい」と涙ながらに将来を見据えていた。

 アルトゥニアン・コーチは00年にモスクワから米国に移住。06年から約2シーズン、浅田真央を担当した。ジャンプ指導に定評があり、教え子のチェンは、国際スケート連盟公認大会で世界初となる5種類の4回転ジャンプに成功。滑らかなスケーティングと演技表現にたけた本田にとって、新たな引き出しを得ることが期待される。

 米国には昨年の全日本選手権15位の兄太一(19=関大)も同行する予定。カナダに本拠を置く五輪2連覇の羽生結弦のように日本を離れ、本田は夢を追い続ける。

 ◆本田真凜(ほんだ・まりん)2001年(平13)8月21日、京都府生まれ。2歳でフィギュアスケートを始める。12年全日本ノービス選手権で当時の歴代最高得点で優勝。全日本選手権はジュニアながら初出場の15年に9位、16年4位。16年世界ジュニア選手権は初出場初優勝。憧れのスケーターは荒川静香。家族は両親と姉、兄、妹2人。姉を除く4人が競技者で、妹望結(13)は女優と両立。身長161センチ。