真央さんが、泣いた。フィギュアスケートバンクーバー五輪銀メダリストで昨年引退した浅田真央さん(27)が2日、新潟市内で自らがプロデュースしたアイスショー「浅田真央サンクスツアー」のリハーサルを報道陣に公開した。

 「スマイル」「踊るリッツの夜」など過去のプログラムを中心に、最初の30分間を披露。滑り終わった後に感想を問われると「ごめんなさい。泣けてきちゃった」と、感極まって涙した。

 引退直後の昨年夏は、大阪と名古屋で「ザ・アイス」に出演。これまでの感謝の思いを込めた集大成のつもりだったが、もっと見たい、という声に感化され、新たに全国各地で小規模なショーをやると決めた。メンバーは姉舞さん(29)、昨季限りで引退した無良崇人さん(27)と公募で集めた7人のスケーターの合計10人。真央さんが中心となり、一からショーを作りあげてきた。

 半年かけてようやく形になったリハーサルを終えると、気持ちがあふれた。

 「ショーに出たことないことない子たちも、たくさんいて…」と話すと、目に涙をため、後ろを向いて顔を隠した。涙をみせないよう後ろを向いた昨年4月の引退会見と同じだった。ティッシュで目を拭きながら、「もう1回ちょっといいですか? 仕切り直し」と前を向き直し、「本当に、ショーに出たことない子たちばっかりで緊張したと思う。私もオーディションから見てきて、ずーっと頑張ってきたので、それを見ていて、サンクスツアーに応募してきてくれて、形になって、良かったなと思いました」と話すと、再び涙をこぼした。

 ショーの内容は、真央さんが過去に演じたプログラムをアレンジしたものが中心。この日は披露しなかったが、ソチ五輪シーズンのフリーも滑ることを明かした。

 今回のショーは、地元優先でチケットを販売し、価格も上限を7500円におさえるなど地元密着、低価格の新たなスタイルを取る。この新潟公演を皮切りに全国10カ所をまわるが「10カ所だけじゃなくて、来年も続けていけたらいいなと思っているところ」とさらに多くの都市に巡回するプランも明かした。