男子シングルス準々決勝で、世界ランク3位・国枝慎吾(34=ユニクロ)と同8位・真田卓(32=凸版印刷)の対戦が決まった。

 2回戦で国枝は同24位の藤本佳伸(42)に6-2、6-0で、真田は同135位のモハメドヨシャズワン・ビンユソフ(22=マレーシア)に6-1、6-0で圧勝してベスト8進出を決めた。準々決勝は16日に行われる。

 「サーブをうまくコントロールできている。いい状態だし、ここから相手が強くなってもいい試合ができると思う」。国枝は柔らかい笑顔で言った。1回戦の荒井戦(6-0、6-0)に続く圧勝。2試合4セットで自らのサービスゲームをすべてキープ出来ていることに納得の表情だ。「真田君は最近調子がいいので、気を引き締めて戦いたい」。同じ吉田記念テニスセンター(千葉県柏市)を拠点にする練習仲間の後輩を破って、3年ぶり9回目の優勝へ前進する。

 真田も好調だ。この日は初対戦のビンユソフを圧倒。最初のゲームでサービスをキープされただけで、12ゲームを連取して見せた。「今日は攻撃的にいきました。国枝さんとの対戦を意識していましたから」。サービス、世界からも警戒される右の強打に加え、バックハンドもクロス、ストレートに打ち分けた。

 1回戦で世界10位シェファーズ(オランダ)を6-2、7-5で破った勢いもある。「僕のことを簡単に倒せる相手ではないと思っているから、国枝さんは緊張すると思う。もちろん僕も緊張するでしょうが…」。真田にとって4大大会に出場可能な世界7位以内に浮上するためにも、大切な戦いになる。

 2人の対戦は国際テニス連盟のデータによると過去9回で国枝の全勝。真田によると公式戦以外でも対戦経験はあるが、「勝ったことはない」。右肘痛からの完全復活を証明したい国枝と、下克上を狙う真田。注目の“日本ワン・ツー決戦”になる。【小堀泰男】